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『時をかける少女』〜2006年7月、少女は時をかける〜

アニメ版『時をかける少女』ようやく観てきました。
ミント神戸内にオープンしたシネコン「OS cinemas M-INT KOBE」で。
駅前の大きな映画館。
映画を観る機会が増えるかも?です。

時をかける少女―TOKIKAKE

この『時をかける少女』は、かつての『時をかける少女』とは違います。
原作、筒井康隆。
もちろん、そうなのですが、舞台を現在に移した新しい『時をかける少女』です。

主人公は、これまでの芳山和子ではなく、新たに設定された紺野真琴。
真琴のおばさんとして芳山和子は登場します。

と言っても、私自身、原作を読んでませんし、これまでの『時をかける少女』の映像作品を観てませんので、芳山和子を知らないんですね(苦笑)
もちろん、知らなくても楽しめます。
ただ、かつて《時をかけた少女》である芳山和子、浅倉吾朗、深町一夫と思わしき三人の写真が出てきたり、他にも原作を知っていれば「あっ!」って思うポイントはあるのでしょう。

『時をかける少女』。
予想していた以上に良い作品でした。

公式サイトにある予告編を見て、観に行こうと決意した作品です。
観に行こうと思ったポイントは、
 ・(セルを使わない)デジタルアニメーションの一つの解が見いだせた。
 ・原作とは違う『時をかける少女』。
その二つ。
そのどちらかが欠けていたら、観に行かなかったでしょうね。

時をかける少女 絵コンテ 細田守

バッハの『ゴールドベルク変奏曲』、これがテーマ曲です。
作品序盤、音楽室のグランドピアノで生徒が弾く『ゴールドベルク変奏曲』がずっと続いています。
真琴が初めて時をかけるまで。

この曲でなかったら、これほど注目することもなかったし、気にもしなかった。
ただ、知ってる曲だったから、気になった。

劇中、かすかに聞こえてきたのは、知っている旋律。
何だろう?
あ、『ゴールドベルク変奏曲』。
佐山さん?では、ないなぁ。
全然違う。

真琴が初めてタイムリープしたとき、『ゴールドベルク変奏曲』が最高潮に達します。
その時の演奏は、佐山さんの『ゴールドベルク変奏曲』がしっくり来る気が(笑)

そう、ずっとテーマとして使われていたから、知っている曲だったから、『ゴールドベルク変奏曲』は、時間と関係あるのか?と考えてしまいました。
関係なかったみたいです。ただ、監督が好きだっただけのようで(笑)

ストーリー的にも大満足です。
時をこえる物語は、どこかで破綻が見えることが多い。
それを感じさせない。
複雑に絡み合った、過去・現在・未来が駆け抜けていく。

時間的には、たった2日間ほどのストーリー。
けど、真琴的には1週間も、2週間もの時間。

ただ単に自分の好き勝手だけで繰り返した真琴のタイムリープ。
その歯車がかみ合ったとき、物語の本質が見えてくる。

それでも、謎を残したまま物語は閉じる。
その謎は、想像力をかき立てる。
紺野真琴、間宮千昭、津田功介それぞれの未来について。

時をかける物語であると同時に、青春の物語でもあるから。

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