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高校演劇'09〜兵庫県大会編〜

新型インフルエンザの猛威がふるう中、行われた今年の県大会。
第53回兵庫県高等学校演劇研究会中央合同発表会の様子をお届けします。

会場は神戸市北区のすずらんホール。
どうもここ、本来は音楽用のホールのよう。
天板から生える袖幕は、ちょっと不思議。

但馬支部からの推薦校がなかったため、15校での大会開催。
そう思っていたら、阪神支部代表の武庫荘総合が新型インフルエンザにより棄権。
観客席にはインフルエンザ対策のマスク姿が多数。

少し淋しい感じになりましたが、大会が開催できただけでも“良し”としなければならないのかもしれません。

さてはて、それでは気になった作品をピックアップしていきましょう!!

■県立東播磨『同好会同好会!』
新川くんの筋トレが魅力的(笑)

5人で活動する同好会同好会
生徒会長にして同好会同好会を立ち上げた、鉄子のつかさ。
家電製品には目がない男、杉岡。筋トレをし続ける男、新川。二次元オタの藤原。動物フェチな女子、敦美。

とっても個性的な5人が集まった舞台。
それぞれの演技が魅力的で面白い。

ここのところ勢いがなかった東播磨の復活か!?それを思わせる舞台。
転換はお得意の明転で、テンポ良く。

初め文化祭の話で盛り上がるので、それに向かって結束する話かと思ったら、違った。
実は新川の話で、身体作りは続けるが外に出て行かない秘密が暴かれる。

頑張れ、新川〜!!


■県立神戸『SISTERS』
とっても丁寧なお芝居です

ギターケースに意味がある
幕があがって“あれ?”、男が居ないF田芝居。
あぁ、パンフレットを見てなかったもので、すみません。
そうかぁ、男キャストが居ないとF田芝居はこうなるのか、と、ある意味衝撃的でした。

私自身、チェーホフの『三姉妹』は未読なので、どのようにモティーフにされたのかわかりません。
ともかく丁寧に演じられていたのが印象的。
当然演出も……と思っていたら、生徒演出でした。それは、凄い。

欲を言えば、もっと心情が見えたら良かったのにな、と。


■県立伊丹西『現人の徒歌(うつせみのいたずらうた)』
人数が多い演劇“も”大変だ

蝉たちの世界と人間の世界の融合点?
今まで観た伊丹西の舞台では、最大数のキャストでしょうか?

幕開きから二つの聳えた舞台装置が気になる。
何が始まるんだろう?という感じ。

ただ、今回は、そのキャスト数の多さからか、舞台が散漫になってしまった。
人として現れた蝉と人との交流を描いた作品だけど、序盤はその蝉の世界と人の世界が別々に進む。
そういった難しい物語構成もあったと思う。
なかなかストーリーが飲み込めず。
“えっ、あれ、誰???”みたいな。

しかし、「花火大会に誘う」下りとか、こういうシーンは上手いよね。

個人的には春の『芯、いろいろ?』が好きだったなぁ。


■県立加古川東『フリマ!』
全国出場は伊達じゃない

商工会主催のフリーマーケット
顧問が替わってどうなんだろう?
そんな心配は不要でした、今年の加古川東。

フリマの会場jにやって来た人たちが織りなすUFOストーリー(笑)
ただ単にフリマとUFOのドタバタがあるのみならず、昔、おじいちゃんがふりまいたUFO騒動を起因に確執を持つ姉妹も描かれてます。

かなり楽しくてテンポの良い作品。
テンポが良かっただけに、“UFOが来たか?”と思わせた暗転(実はただの雷なんだけど)がもたついたのが残念。
もう少し滑らかに処理できたよね?って。

極めて私的な感情だけど、“そのアニメージュ創刊号、欲しいです!!”(笑)


■神戸龍谷『翼あるもの〜情熱の赤い馬鹿〜』
面白可笑しく、だけど、情熱的でシリアス!

今始まるヒーローショー!
2年ぶりの神戸龍谷の舞台、一番期待しておりました!
その期待を裏切らない出来に大満足でございます!!

デパート屋上の舞台裏を舞台に繰り広げられるご都合主義の物語。
かなり強引に進むけど、私は嫌いじゃない。
客席を熱く巻き込んだのは、間違いない事実だしね。

何と言っても最大のインパクトは、“社会的弱者”のおばさん(笑)
彼女のパワーにはもう、脱帽あるのみです。
デパート側の課長(だったかな?)の演技が弱いかも、なんて思ったけど、全てを吹っ飛ばす威力!

基本的には面白可笑しく笑える舞台。
だけど、ちゃんとそれぞれの人物の事情も読み取れる。
そして、ヒーローショーのように上手くいかない現実。

個人的には“近畿大会当確”だったんだけど、惜しくも優秀賞止まり。
もう一度観たい作品でした。


■雲雀丘『黄昏に走る』
ゴミの分別が素晴らしい

ゴミ分別の中にあるリアルな青春
幕があがるとゴミがいっぱいの舞台。
果たして何が始まるのだろう?

ゴミの分別をする生徒会と、お手伝いにやって来た生徒たち。
大量のゴミを捌く様が素晴らしい。
もの凄くリアリティがあって、その中で進む(進まない?)話も面白い。

ただ、中盤の走るシーンがリアルでなくて、個人的にはNG。
ラストの二人の溝も、そんな浅いものじゃないんじゃない?
このあたりの心情の描き方には、まだまだ進化の余地あり。


こうやって振り返ってみると、結構、楽しかった県大会。
ただ、どの高校も新型インフルエンザに振り回されて、練習が大変だったみたいです。
それともう一つ、盛り上がりには欠けたかなぁ?

さて、今年の近畿大会は京都府、呉竹文化会館です。

兵庫県からは、神戸高校『SISTERS』と雲雀丘学園『黄昏に走る』の2校が出場します。
11月21日(土)、22日(日)、23日(月・祝)の3日間。
インフルエンザに負けないで、無事開催されることを望みます!!

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