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2014年の県大会は、私の知る限り初めて3連休の中行われました。
すなわち、11月22日(土)~24日(月)という日程。23日が勤労感謝の日なので、24日は振替休日だったのですね。今年も近畿大会が独自大会だから出来た日程でしょうか?(今年の近畿総文は、福井県だったみたいです)
第58回兵庫県高等学校演劇研究大会・中央合同発表会。
神戸支部主催の大会会場は、阪神支部のお膝元、兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアター大ホールで行われました。
■六甲『What a Wonderful "it's a small World"』
近畿大会へ行ってもいいよ。と思えた作品。
昨年の大会でちょっと残念だった六甲。
"どうだろう?"という不安と、"どんなかな?"という期待の入り交じる中、幕を上げました。
学校の片隅にある一室。物置のような部屋で、普段は使われていないらしい。
そこへ集まってくる訳あり生徒たち。
大人数でのコメディタッチの展開、そして、少人数でのシリアスモード。それが入り交じって物語が進んでいく。前半、笑いで観客を引き込んで、そのままスーッとお芝居に飲み込んでいくのは、六甲お得意のスタイル。
『まもる君、あー、go!』や『カガクの子』で、少し足りなかったのは"深さ"。
それがこの作品にはある。
登校しているものの教室には行かずにいる非登校生徒のムラカミ。そして孤高の(?)ヴァイオリン弾きのミヤザワ。この2人が物語の核になる。そして、ムラカミの事を気に掛けている、かつての担任、フジノ先生。
学校からは認められていない場所。その場所で過ごす日々。それは、彼らにとってどういうことなのか?
そして、そんな彼らの潜む場所にやって来るのは、同じように溢れてはいるものの、学校側に活動場所を公認して欲しい野球部の落ちこぼれや、SF研究部、校内3つめの新聞部たち。
学校に公認された瞬間、それはすべて崩れ去る──。
非登校のムラカミが持っているものは、重い。なんだかわからないけど、重い。
そこがもう少し描けていたら(ムラカミ、ミヤザワ、フジノ先生の関係性か?)、大会の結果は違っていたのかも知れない。
六甲の良いところでもあるのだけど、六甲のお芝居は基本的にキレイなのだ。登場人物は、清廉潔白と言える。だけどこのお芝居は、そんな清廉潔白さだけではダメだったのかも知れない。そんなことをふと思う。
それでも、"近畿大会へ行っても良いよ"と素直に思えたし、もう一度、近畿の舞台で進化したこのお芝居を観てみたかったのです。
■県立東播磨『青い蝉』
ノーマークだった東播磨から出た、すっごいお芝居!
ノーマークだったから写真がないのではなく、カメラの電池切れで写真がありません......(汗)。
ピッコロシアター大ホールの大きな舞台を存分に使っても、舞台空間は成立している。
幕が上がると、抽象的な舞台と衣装。"これは一体どんなお芝居が!?"と、期待と(ついて行けるかな?という)不安。するとすぐに、それは演劇部の練習するお芝居(つまり劇中劇)であったとわかる。劇中劇と現実への交差もシームレスに移り変わる。
劇中劇のシーンでは意図的な照明が使われるが、音響は至ってシンプル。BGMは一切なく、時間と風景に寄り添ったSEが自然な音量で流れるのみ(つまり、観客の印象には残らない)。
劇的な展開はないのだけれど、お芝居をつくるにつれて、"本当は(この役を)やりたくなかった"という本音や、部員同士のすれ違いが出てくる。
自分たちの言葉で書かれているからか、妙に役者に存在感があり、空白の部分を色々と想像したくなる。
県大会で上演された中で、ぶっちぎりの創作台本。これを生徒だけで書き上げたというのだからビックリ(顧問の先生は、アドバイスのみだそうだ)。
個人的には創作脚本賞ものだったのだけど、東播支部からは県立農業高校の作品が創作脚本賞の選考に推薦されていたため、この『青い蝉』は選考対象外だったよう。でも、後日、近畿大会ではちゃんと、創作脚本賞に輝いたようです。
■県立伊丹『春のむこうがわ』
来年以降に期待!
だけど観ていて思い出したのは、あの頃の大阪のお芝居。
いきなりのダンス。プロジェクションマッピング(というより、映像投影が正しいかも?マッピングという感じじゃないかな)もあったのだけど、あんまり気づけず。
でも、連れて行かれたのは、あの頃の大阪のお芝居とは、全然別のところでした。
ただね。
もうちょっとパンチ力と切れ味は欲しいかな?という感じ。そうすれば印象も全く変わってくるだろうな、という予感。
中盤のアフリカ編と、ラストへの落差ってことかもしれない。
予想を裏切る展開は嬉しいけれど、予想外の要素はあまりなかった県大会。
今年のラインナップを見た時点での私の最優秀予想は"六甲と、もしかしたら県立伊丹があるかな?"という感じ。結果だけを見れば裏切られているのだけど、個人的な感覚だと、突き抜けたのは唯一県立東播磨のみ。
個人的には、鋭い生徒創作が充実するのを切に願います。
その為には、良い観客も必要なのかも知れませんね。
平然とスマホで写真を撮っていたりしているのは──。きっとお芝居の観劇ではなく、学芸会のノリなんでしょうねぇ。。。(もちろん、演劇部の部員たちではなく、一般の観客なのですけれど......)
2014年12月31日 20:07 │ コメント(0) │ トラックバック(0)
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